子どもとお仕事のお話(産休と育休)第1回「産休の種類と期間」

幸せな瞬間、その時お仕事は?

 「子供が生まれた!!」とても幸せな瞬間だと思います。

 でもその時、仕事はどうなるのでしょうか。また、子供の育児に手がかかる時期、仕事を休むことはできるのでしょうか。

 産休や育休という言葉は聞いたことがあるけれど、詳しくは知らない。「どんな時にとれるの?」「お給料はどうなるの?」「休暇を取ったことによって不利益(給料カットや解雇)にはならないの?」などなど、育休や産休について疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 本日は、そんな身近な産休、育休の制度についてご説明します。

産休の2つの種類と期間

 まず、産休についてご説明しましょう。

 一般に産休と言いますが、労働法の本などには「産前産後の休業」などと書かれていることがあります。この書き方を見ると産休には、「産前」と「産後」の2種類の休業があることがわかります。

 実は、法律上は「産前」と「産後」の休業は別々に規定されており、要件も期間も違うのです。

 

 いわゆる「産休」(このページでは、産前産後両方の休業を指す時に「」をつけ「産休」と書きます。)について定めているのは、労働基準法(このページでは「労基法」と書きます。)の65条です。

 

 労基法65条1項にはこう書いてあります。

 

「使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、そのものを就業させてはならない。」

 

 この規定は、出産予定の女性について書いているので「産前休業」についての条文ですね。

 

 続いて、労基法、65条2項にはこう書いてあります。

 

「使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務につかせることは差支えない。」

 

 この二つの条文を読んで、気付かれた方もいると思いますが、この二つの制度には大きな違いがあります。

 「産前休業」には、「請求した場合」と書かれているのに対して、「産後休業」については、「産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない」と書いてあります。

 そうです、「産前休業」については、請求が必要なのに対して、「産後休業」については、「就業させてはならない。」と書いてあって、請求の有無にかかわらず働くことを禁止しているのです。(例外的に産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務につかせることは、許されています。)

 両者は請求を必要とするか、任意的か絶対的かという点で違いがあるわけですね。

 要するに「産前」は頑張って働くこともできるけど、「産後」は少なくも6週間は働けないということですね。

 

 また、期間についても6週間と8週間で違いがあります

 合計すると「産休」の期間としては、最大で14週間となるわけですね。

 (多胎妊娠の場合には20週)

今日のまとめ

①産休には「産前休業」と「産後休業」の2つの種類がある。

②「産前休業」は出産6週間以内の女性が請求すると取得できる。

 (多胎妊娠の場合は14週間以内)

③「産前休業」の期間は最大で6週間。

 (多胎妊娠の場合は14週間)

④「産後休業」は原則として、8週間取る必要がある。

 但し、例外的に産後6週間を経過していて、医師がOKすれば、働かせてもらえる場合がある。

⑤「産後休業」の期間は最大で、8週間、最低でも6週間。

 

 今回は、「産休の種類と期間」について書きました。

 参考になりましたでしょうか。

 「産休」の制度を知ったうえで、上手に利用しましょう。

 そして、「産休」に関して職場でトラブルが生じたら、迷わず、弁護士に相談してください。

 

次回は、

 「産休を上司(使用者)たちに拒否されないの?」

 「産休の期間中お給料はもらえるの?」

 の二つを更新予定です。


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