性犯罪処罰規定に関する平成29年の刑法一部改正⑥

~シリーズ第6弾 強盗・強制性交等罪の新設~

改正前の状況

●強盗犯人 が 強姦した場合     

    ↓               

 強盗強姦罪(刑法旧241条)が成立

    ↓

 無期又は7年以上の有期懲役(法定刑)

 

 

●強姦犯人 が 強盗した場合

    ↓

 特別な規定はなく、強姦罪(刑法旧177条)と強盗罪(刑法236条)の併合罪

    ↓

 5年以上30年以下の有期懲役(法定刑をもとに併合罪加重の処理のみを行った場合)

 

改正前の状況に対する問題意識

 強盗と強姦の双方を行うことの悪質性、重大性に着目するのであれば、その先後の違いによって科刑に大きな違いが生じることは不合理であり、統一すべきである。

 

刑法241条の改正(強盗・強制性交等罪の新設)

 上記の問題意識を踏まえ、次のとおり改正されました。

 

●強盗と強制性交等(監護者強制性交等除く)が同一機会に行われた場合

 ※強盗と強制性交等のいずれもが未遂の場合も含みます。

       ↓

 強盗と強制性交等の先後にかかわらず、

 「強盗・強制性交等罪」(刑法241条1項)が成立

       ↓

 無期又は7年以上の有期懲役(法定刑)

 

プラスαの知識

●障害未遂と中止未遂に関する規定の新設(241条2項)

 

 ①強盗と強制性交等の両方が未遂         →刑の「任意的」減軽

 ②両方未遂かつ自己の意思でいずれかの犯罪を中止 →刑の「必要的」減免

 

 ただし、①②とも、人を死傷させたときには適用がありません。 

 

 ※「障害未遂」

   未遂のうち、犯罪の実行に着手したが外的障害によりこれを遂げなかったもの

 ※「中止未遂」

   未遂のうち、行為者が自己の意思により犯罪の実行行為の継続を中止したこと

   又は実行行為終了後結果発生を防止する措置をとったことにより

   結果が生じなかったもの

 

 

●「強盗・強制性交等致死罪」の新設(241条3項)

 

・殺意のない結果的加重犯と殺意のある場合の両方を対象とします。

・法定刑は、死刑又は無期懲役

 

~次回シリーズ第7弾のコラムの予定~

次回の第7弾では、「被害者支援の観点から見た課題と展望」について取り上げます。

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